ZAKURAN
その不安と痛みが何なのかはわからない。
もし、九条先輩も誰かの世話役についているのだとしたら…
きっと相手は私の知らない令嬢で、
さっきの私たちのように、パーティーの準備や手を取ってこの会場に入場なんかもするわけで…
そう考えると、妙に胸がざわつく…。
私、どうしちゃったんだろう…
これじゃあ九条先輩が自分以外の女の人といるのが、
嫌で嫌で仕方ないみたいだ。
だが、陸人さんの返事は…
「はい。
九条は園田家ご令嬢、麗様の世話役を兼任しております。」