ZAKURAN



-ブー、ブー、ブー…



「…。」








明かり一つ灯されていない暗い部屋で、ケータイが鳴る。




-ピッ



「…はい。」




数秒後、フードを目深にかぶった一人の少女がそれを耳に当てた。




『仕事だ…睦月』









しばらくして、少女は電話を切る。



そしていきなり黒い服へと着替え始めた。






腰まで伸びた黒髪を一つにくくり、



手には…一本の刀。





それは窓から差し込む月の光に反射し、不気味に輝いていた。






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