ZAKURAN
視線の先には…
自分のことなどすっかり忘れたように、令嬢の人たちと話している九条先輩。
それをぼんやりと眺めながら…
私は先輩に出された課題を悶々と考えていた。
これを解決しないと、当分九条先輩とは口がきけない。
先輩にとっては私と話せないくらい何てことないだろうけど…屋敷内に顔見知りが少ない私にしてみれば、かなり厳しい状況なわけで。
「はあ…」
自然と自分の口からはため息ばかりが漏れてしまう。