ZAKURAN
まあ、
とりあえず…
「あの…私、もう行きますね。」
お礼は言ったし。
それに何か…あまり良く思われてないっぽいし?
けど、
「おい待てコラ。」
-ガシッ!
…っ!?
イソイソと先に学校へ入ろうとした私の腕を、
「な、何ですかっ!?」
九条先輩がつかむ。
ビクリと肩を揺らした私に、
ニヤリと口角を上げる先輩…
まるで、いい獲物でも見つけた狼のように。
「え…」
その笑顔に、背中がゾクリと震え上がる。