ZAKURAN
「わあ…」
「すごーい」
食堂に着き、私と夏香は同時に声を上げる。
「けっこう人いっぱいいるんだね!」
食堂は想像以上に学校の生徒であふれていた。
基本、私たちはお弁当で、いつも教室で食べていたからここに来たのは初めてで。
「うわ、先生もいる!」
夏香が驚いて指をさす方向には、先生たちまで。
何を話しているのか、談笑しながらコーヒーなんかをすすっている。
私はあたりを見渡してみた。
九条先輩は…
まだ来ていない。
「先輩、まだいないみたいだね。」
「とりあえず、空いてる席座ろっか。」
私たちは適当なイスに腰かけた。