あんたの隣はあたしだから




「もーいったいなんなのよ」



「ふふ♡柚希は、鈍いね」



ドキッ……。



「あ、あたしなんて全然鈍くないよー!」



そうだよ。日向の好きな人みたいな子じゃない──…………。





日向には、好きな人がいる。



鈍くて可愛い子。




それがあたしなんて、ありえないよね。




「柚希どうした?」


隣から智くんの声が聞こえた。



「え?何が?」



「いや…なんか、悲しそうな顔していたからさ─………」





………智くんには、わかっちゃうんだね?




「ありがとう。でも大丈夫だからっ」



「そっか。」


そう言うと智くんは、笑ってくれた。




「そういえばさ…メール…

送った?」



「えっ?……あぁ!!メメメメール!

ごめんっ!忘れてた!」



ぜんっぜん忘れてないけどね!


そもそも日向が悪いんだよ。


こういうとき、日向助けてくれんっ!



圭くんと喋ってるし─…………。




はぁ─…………。




「そっか。ならいいや。またメールしてな?」



「ぅん─………」



できないけどね…;;





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