あんたの隣はあたしだから
夏祭り当日──…………。
「まぁ、きれーじゃない」
お母さんがおっとりした声でいった。
あたしは、朝顔の水色の浴衣を着た。
んー?あんまり似合ってると思わないなー。
「ねーやっぱジャージで行く」
「はぁ?!なにいってんの?
自信もって!!ほらっ日向くん待たせちゃいけないでしょ!!」
「ほーい」
とだるい返事をして
玄関の方へ言った。
日向は、もう玄関で待っていた。
「日向くんお待たせー♪
どうっ?けっこういいんじゃない?
柚希。体細いから」
「ちょっ。なにいってんの?
お母さん」
幼なじみの前でもけっこう恥ずかしい。
なぜお母さんが今更あたしに
浴衣を着せたがったかわからないが、
恥ずかしい………………。
「日向。行こっ!」
あたしは、そう言うと下駄を
履いて、家を出た。
日向も「おうっ」と言って
家を出た。