あんたの隣はあたしだから


夏祭り当日──…………。


「まぁ、きれーじゃない」

お母さんがおっとりした声でいった。


あたしは、朝顔の水色の浴衣を着た。


んー?あんまり似合ってると思わないなー。



「ねーやっぱジャージで行く」


「はぁ?!なにいってんの?
自信もって!!ほらっ日向くん待たせちゃいけないでしょ!!」



「ほーい」

とだるい返事をして
玄関の方へ言った。



日向は、もう玄関で待っていた。


「日向くんお待たせー♪
どうっ?けっこういいんじゃない?

柚希。体細いから」


「ちょっ。なにいってんの?
お母さん」


幼なじみの前でもけっこう恥ずかしい。

なぜお母さんが今更あたしに
浴衣を着せたがったかわからないが、

恥ずかしい………………。



「日向。行こっ!」

あたしは、そう言うと下駄を
履いて、家を出た。


日向も「おうっ」と言って

家を出た。











< 11 / 112 >

この作品をシェア

pagetop