あんたの隣はあたしだから
 



「しっかしひさしぶりに日向の試合を見たなー」

となりで圭くんが言った。



「そっか。圭くん、日向の中一のときの

夏の試合以来だねー」


中学のときは、学校の部活にサッカーがなかったから

日向は中学のときサッカーチームに

入っていた。




圭くんは、あんまり見たことがない。

野球部だったからお互いに忙しかったからかな?



「あのときより成長してるなー!

でも、まだまだだな」


ははっと笑う圭くん。

目が細いから笑うと目尻がたれる。

背は、ちっちゃい圭くんで

158ぐらいしかない。


黒髪がさらさらだ。



「まだまだだね。」


あたしも笑った。



「日向くん。がんばってるねー」


お母さんが言った。



圭くんも暴言吐かず

みんなで和んで、試合を見ていた。





──────。


「日向ぁ!おっつかれー!!」

圭くんが日向の背中を思いっきり叩く。


「いってぇ!圭!」


あたしもつられて日向の背中を叩いた。


「柚希!お前もかっ!」


みんなで笑う。



お母さんも笑っていた。




「日向おつかれー」

「今日は、大活躍だな」

「食べにいこーぜー」


サッカー部のみんなが、日向のそばにやってきた。



「おう!食う!」
と日向が答えた。



その時─────



「月島くん。お疲れ様。
勝ってよかったね。」


後ろから響きのある高い声が

聞こえた……………。



だれ?


「おぉー。玉木!
今日は、さんきゅー」

日向もふつーに話している。





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