あんたの隣はあたしだから
「あたしお手洗い行ってくるね」
そう言うと、真由さんは席を外した。
「ねぇ。日向。真由さん困った顔してなかった?」
「それな。なぜ?」
二人でうーんとうなっていた。
「トイレ我慢してたんじゃね?」
「あー。そうかも」
あたしたちの会話を聞いていたサッカー部のみんなは、「鈍感…」とため息をついて言った。
───────。
打ち上げもあっという間におわり
「じゃーな」
「またねー」
みんなそれぞれの道で帰った。
あたしと日向と真由さんが一緒の方向だった。
ちょっと気まずいかも。
「んじゃ帰ろー」
日向がそう言うと
「はーい」
「はーい」
と真由さんとあたしは返事をした。
暗い夜道を歩く。
家の明るいところを歩くと三人の影がうっすら地面にうつる。
「真由さんの家ってどこなんですか?」
「もうちょっと奥かな」
「そうなんですか」
「オレたちと近いんじゃね?」
「月島くんと柚希ちゃんは、家近いの?」