あんたの隣はあたしだから



「月島さん」


廊下を歩いていると、先生が俺を呼んだ。


「なんすか?」



「これ。川島さんに渡してくれない?
家近いでしょ?」



「わかりました」



「ありがとうね」



そう言うと、先生は職員室のほうへ走って行った。





「結局、行かないといかんやん」


ぼそっとつぶやいた。



先生が渡したのは、プリントと学級通信。




圭がここにいなくてよかった。



 

オレは、サッカー部を休み、

柚希んちに向かった。

 
  


まだ外は、明るかった。





ピンポーン。



「はーい」


ドアの奥から柚希の母さんが返事をしている。



「日向くん。あれっ?部活は?」



「休んだったんさー。柚希の見舞いっす」



「ありがとう。ちょうどよかった。

いまからあたし、柚希の薬買いに行くところだったから。柚希のことよろしくね」



そう言うと、柚希の母さんは車をだし

行ってしまった。



柚希の父さんって仕事だよな?





俺は、焦りだした。



圭が朝言ってたことをおもいだす。




う、、、うわぁぁぁぁぁぁああ!



俺は、家に入る前に座り込んだ。



まじ?


どうしたらええねん。




でも、ほったらかしは、いかんし。




しゃーねーな。



俺は、家に入った。



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