あんたの隣はあたしだから




あたしの障害物競走は、もうすぐだ。



その前に二年生のリレーがある。



そのなかに真由さんもいた。





「位置について…よーい、パンッ!!」



8クラスぐらいの人たちのリレーが

すごい勢いで走り出す。



声援が聞こえる。



そのとき……



「きゃあっ!!」



高い悲鳴が上がった。




佳奈があたしのとこにきて


「玉木先輩が隣のクラスの人に足引っ掛けられたみたい…」



「え…!?」



佳奈と近寄ると、膝から血が溢れていた。


ひどい…。



「真由、大丈夫?」

「足引っ掛けたの誰だよ?!」

「さいてーだぞ」


みんながざわざわしてくる。



「みんな。あたしは、大丈夫だから」




「大丈夫じゃないっすよ」


みんながその声の主の方へ向いた。



あたしも向いた。




「月島くん…………」



真由さんがびっくりする。


そして、真っ赤になる。



「やだ。見られた…恥ずかしいな」



「玉木は、悪くないから」





ドクン。



また嫉妬だよ…………………。


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