あんたの隣はあたしだから




あたしもつられて笑っていると、



いやな視線を感じた。



ゾクッ。


真由さんがこっちを見つめていた。




あたしは、それに気づいて

パッと目をそらした。




「月島くん。ここに残って…。

二人とも応援席に戻っていいよ」


と真由さんが言った。


「おう?わかった」



日向がこたえる。



え…………………?



なんでよ。




二人っきりなの?





ドクンと心臓がいやな音になる。



「分かりました。柚希行こう」



すると、佳奈はあたしの手を引っ張って

保健室を出た。



─────。



体育館の裏に佳奈といっしょにきた。




佳奈は、あたしの手首を放して

「どうしたのよ?」


と言った。




「わかんない………」



「え…?」



「真由さんは、日向が好きって言ってたけど、日向は真由さんのことどう想っているかは────……」

「ちがう」



あたしがわかんないと言おうとしたとき

佳奈は、話を止めた。



「あたしが言いたいのは、

真由さんや日向くんのことじゃない。


柚希の気持ちは…………?」







あたしの






気持ち──………………?






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