あんたの隣はあたしだから
あたしの気持ち
「おはよ日向」
「おー!柚希」
秋になりました。
ちょっと肌寒いけど
なんかあったかい季節です。
「チャリ乗せてってよ」
「遅刻しねーじゃん。
自分の力で行きなさい」
「いいから。乗せて!」
あたしは、日向のチャリの後ろに乗った。
日向がこぎ始める。
「日向さー。真由さんとどうなってる?」
「んー?別に」
「そっか」
あの日、体育祭から3週間くらい過ぎた。
あたしは、真由さんと一言も喋ってない。
日向は、部活であうから
ちょっとしゃべっているらしい。
あたしは、チャリから落ちないように
日向にしがみつく。
ギュウ───……………。
日向の心臓の音が聞こえた気がした。