あんたの隣はあたしだから




「くらえっ!ほうきマジック!!」



俺は、圭の腰にほうきを


あてようとした。



「そうはさせるかっ!」



圭は、そう言ってほうきをかわした。





今、掃除の時間。




俺と圭は、ほうきで戦っていた。



まったく。ガキだな圭は。
↑人のこと言えない。




「もー!二人ともちゃんと掃除してー!」



クラスの女子が言う。



俺たちは、はーいと言って


掃除を始めた。




その時
  

「月島ぁー!!お前に用があるってよ」



俺───…………………?



誰?



俺は、そっちへ行き


誰かを確かめた。



「月島くん。…掃除中にごめんね」



「えーでえーで」



女の子だった。



柚希よりもちっさい。


佳奈くらいだな。



ふわふわした人だ。




「えっと、じゃあ、体育館裏に

来てくれ…る?」




「うん。ええよ」    




そう言って体育館裏に行った。




シーンと静かな体育館裏は、

校舎で掃除しているみんなの

声が響いてくる。



「好きです!」



急にその女の子が言ってきた。




び…びびったぁ。




女の子は、目をうるうるしてきた。




可愛いっちゃあ、可愛い。



だけど



言葉は、決まっている。




「ごめん」





そう言った。




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