あんたの隣はあたしだから
「じゃあ、柚希ばいばーい!」
「じゃあね」
佳奈は、さっそくデートらしいから
先に帰ってしまった。
あたしはというと
教室でぽつんと一人だ。
さすがに秋だ。
ちょっと肌寒い。
あたしがぼーっとしていると
教室の扉が思いっきり開いた。
目を合わせる。
どうしよう───……………。
日向だ…………………。
あたしは、目を背けた。
ケンカ中なのに。
日向は、教室に入り
自分の机に座った。
日向の席は、あたしの斜め前。
何してるのかな───…………?
日向は、大量のプリントを出し
シャーペンを持ち書き始めた。
なんか…教室に二人っきりだし
早く出てってくれないかな?
気まずいし……………。
数分たっても日向は、帰らない。
あたしは、待ちきれなくて
自分から帰ろうとした。
その時……………。
「なぁ……………」
教室の扉を開けようとしたとき
後ろから日向の声がした。
あたしは、振り向いて
日向と目を合わした。
「前のこと謝るからさぁ
仲直りしよや」
不器用に言った日向。
日向が謝らなくていいのに………。
「ごめんね。あたしが悪いから。
関係ないとか言ってごめん」
「こっちこそ。無理やり聞こうとして
悪かったな」
「うん………」
「俺関係ないのにな。
これからは、無理に聞かないでおく。
てか、柚希のことにつっこまないで
おくわ」
ズキン───…………………。
「それはいやっ!」
あたしは、いつの間にか叫んでいた。