あんたの隣はあたしだから
「悪ぃけど、柚希が頼んだのは
俺だから、俺が柚希の面倒を見る
義務があーる!!」
はっはっはーと魔王の笑い声のように
笑う日向。
「日向くん。完全悪役だぜ?」
おいおいとつっこむ圭くん。
「じゃあさ、柚希。俺と月岡くん
どっちに教えてもらいたい?」
「だーかーらぁー!!月岡じゃねー!!」
笑いそうになったけど
どっちを選ぶかに
悩むあたし。
「へっ?えーと。えーと」
こういうとき日向って答えんの恥ずかしいよー!!
わぁん!!
かと言って智くんって答えるのは、
損した感じだー!
↑失礼
「柚希。こっちこい」
日向が掴んでいた左腕を
ひっぱった。
「え?ちょー!!」
ひっぱられて、その場をしのいだ。
よかった──…………じゃなくて!!
日向にどんどん引っ張られる。
着いたのは、ちょっと人がいないところ。
日向に腕を離された。
二人っきりだ…………。
ドキン、ドキン、ドキン、ドキン。
やばい。緊張する。
「はぁー…」
日向は、急に
下に座り込んだ。
えぇ?!