愛する眠り姫に目覚めのキスを
―――....
しばらくお互い無言だった。
ただ少しずつ浮き輪に掴まるつばきを
砂浜より遠いところに連れていっていた。
「な、直紀くんっ」
ちょっと焦ったようなつばきの声に
ハッとしてつばきの方を見た。
「ごめん!
...怖かったか?」
「ううん
浮き輪あるし...直紀くんがいるから...//」
どうしたんだろう?
更衣室から出てきてからのつばきは
いつもとどこか違った...
さっきみたいに抱きついてくるなんて
再会してからあるはずも無かったし、
今もこうして俺の喜ぶことを言ってくる。
「.....つばき...
何かあった?」
「え?」
「いや....
無いならいいけどさ....
さっきからちょっと様子が違うから」
つばきを見て話せば
つはきは顔を赤くして俯く。
......つばき...?
ジャバっ――
「キャッ」
無意識に浮き輪を掴む手に力を入れていたみたいで、
浮き輪の間にはいっていたつばきが前のめりに溺れそうになった
「っ......!」