愛する眠り姫に目覚めのキスを
「直紀くん....?」
俺はまっすぐ姫野の目を見て言う。
「姫野、今まであやふやにしててごめん。
俺はやっぱりつばきが好きだから...
だから付き合うことはできない。
ごめん」
姫野は俯いた。
「......っ....っ...」
俯いたまま肩を小刻みに揺らし
泣いているのかと思った。
「姫野、ごめん」
.....クスっ....
姫野が顔を上げた。
「っっ!」
...なんで...
笑ってんだよ.....
小刻みに揺れていたのは
笑っていたようだ...
ニッコリではなくニヤリとした笑顔で
声をあげて笑う姫野に
......恐怖を感じる