キスマーク
「どうって―…まぁ」
「肉付きの良い脂多めの根暗そうな医者??」
「いいえ。爽やかで落ち着いた雰囲気の素敵なお医者様でした」
「嘘ぉ~ズルイ詩織っ!で?で?良い感じ?」
「連絡先交換して、また近々会おうって話にはなったけど」
「うわぁ~!もう、お付き合い見えちゃってる感じじゃん!ついに詩織もゴールインかぁ……しかも医者の妻~…」
「いやいや、そこまではさすがに……」
麻里ってば、もう既に私の結婚が決まったかのような反応。昨日の席で一応、気に入っては頂けたみたい、という事はわかるけど、結婚となるとさすがにまだ早過ぎる。
「機会があったら、医者のオトモダチ、是非私に紹介して」
「機会があれば、ね」
「っていうか、詩織達の結婚式とか二次会がチャンスってことね?」
「だから、それはまだ考えるの早いって―…」
「詩織のお祝いと医者との出会いで楽しみ倍増だわぁ~」
何だか、どんどん話を膨らませていく麻里。
突っ込むのも疲れて、「いただきまーす」と、先に箸を持って日替わりを食べ始めた。