キスマーク
「乗り気じゃないって―…別に……」
そんなことない、と、返しながらも、ドキッとしてしまう心。
「焦っている感じがしないっていうか、なんていうか……この間も言ったけど、実はこっそり男がいる感じ」
「だから、いないって」
「本当にぃ?」
更に疑いの眼差しを強める麻里に、
「本当だってば」
と、きっぱり返す。けど、
「でも、セフレくらいいるでしょ?」
なんて麻里からの言葉に、
「っ……」
ちょうど飲んでいた水を思い切り、ごっくんと飲み込むようにしてしまう。
「図星だね」
「……じゃなくて!こんなトコで“セフレ”なんて言葉を麻里が使うからっ!」
そう反論したところで、ハッとして慌てて口を塞いでしまう私。