キスマーク
「じゃあ、シオリさんは俺が年上で社会人だったら向き合ってくれた?」
「それは……」
「年齢とか職業とか、そんなの抜きにして、俺だけを見て考えてもダメなの―…?」
「っ……」
何よ……
そのいきなりの質問。そんな問いに答えたって無意味でしょ?
私の選択は決まってる。
ヒロなんかよりも、ずっと、条件の良い男性と出逢った。だから、ヒロとの関係は切りたいの。
今夜限りで、ちゃんと切ってしまいたい。だから、お願い―…
「お願い、もう帰って―…!」
玄関ドアを開け、両手でヒロを外に押し出す。