キスマーク
「シオリさん、スゴク良い……」
果てたままの状態でヒロが呟く。事が終わったと言うのに、ヒロはなかなか私の身体から降りてくれない。
「シャワー浴びたいから早く離れて」
私は下から冷たく言うものの、
「ヤダ」
と、離れようとしないヒロ。そんなヒロを見ながら、恋人同士でも無いのにこんな風に余韻に浸る時間は無駄だ、と思う。
「どいてよ……」
「やだ」
「どいてってば―…」
「やだってば」
何度そんなやりとりを繰り返したのだろう。
「いい加減にして。シャワー浴びたいの」
と、両手でヒロの身体をどかせて、やっとベッドを出た私。