キスマーク
それがすむと隣り同士の男女で飲みながら食べながら会話を始める。だから結構、座る席って重要。私の隣りは、というと、“柴田さん”っていう一つ上の男性。
サーフィンやスノーボードが趣味らしくて、色々と話をしてくれるんだけど、私は全くやらないから「へぇー…」とか「そうなんですねー…」なんて言葉を返し続けるだけ。
あまりにもその話題が続くから、だんだん私も疲れてきて返しも適当になっていく。
でも、そんな私に全くお構いナシで趣味の話に夢中になってる柴田さん。
自分が興味のない部類の話を聞くのが嫌ってわけではないんだけど、空気を読んで欲しいって思ってしまう。
これは、今夜は空振りかな……
なんて心の中でポツリ。聞き役に徹するのもだいぶ疲れてきたので、
「ちょっと、失礼しますね」
と、席を立ち、とりあえず化粧室に向かう私。