キスマーク
「ちょっと―…!」
何やってんの?と、思わず勢いよく振り向いてヒロを見てしまう私。
「何って別に」
「別にじゃない!直ぐに鍵を開けなさいっ」
「何で?」
「何でって―…場所を考えなさい、場所を!」
「じゃあ、場所変える?」
「はぁ……!?」
もう、こんな場所でふざけてる場合じゃないのにヒロってば……男漁りに来ている私をからかって遊んでいるのだろうか。
「いい加減に―…」
と、突き飛ばしてやろうかとヒロを睨むと、
「それよりさ、シオリさん」
そう言うと唇を私の首筋に当てて、ツーッとなぞってくるヒロ。顎の下までヒロは唇を這わせると、
「せっかく俺が一昨日付けた印、目立たなくなっちゃってるね」
と直接、私の瞳を見て悪戯に微笑んでくる。