STEAL!!~大切なモノ盗みます~
「おっちゃん、何時もの頂戴っ!」
「おうよっ!」
ユーリは街外れにある食堂に来ていた。
小さいけれど客足の絶えないこの店のカウンターの隅がユーリの指定席だ。
「ほら、よーく味わって食えよ!」
「いっただっきまーす!…くぅ~っ、相変わらずうっめーっ!!」
美味しそうな料理は目の前に出されたと同時に次々と胃袋の中に消えていく。
あっさりとした根野菜とベーコンのスープに焼きたてのパン、そして一番人気のチキンのハーブ焼きはユーリがこの店に来た時に必ず頼むメニューで、席に着くと同時に出てくる位には店のオーナーとも顔見知りだ。
「最近顔見せなかったじゃねーか。忙しかったのか?」
「……忙しかったらもっとここに顔出してるだろ、普通。」
「はっはっはっ!そりゃあ間違いないなっ!」
久しぶりに来たというのにオーナーの言葉は容赦がない。
ユーリの苦虫を噛み潰したような表情を見て、オーナーは茶化すように笑いながら水を差し出しおもむろに口を開いた。
「……そんなお前さんに客だぞ。」
不意に目の前の恰幅のいい男の声色が変わり、ユーリから目線が外れる。その視線は入り口近くにいる一人の男に注がれていた。
「あいつか?ジャン。」
「ああ、今日の朝一で飛び込みだ。とびっきりの腕利きをご所望らしい。」
「へぇ……」
ユーリは男から目を逸らさないまま不敵な笑みを浮かべる。
単なる腹ごしらえの為に寄ったつもりだったのだが、念願の仕事が舞い込んできたようだ。
「こりゃ来て正解だったかな……」
そう呟くとユーリは皿に残っていた一欠けらの肉を口に放り込み、入り口に陣取っている男の元へと向かった。
「よう、仕事を頼みたい奴ってアンタか?」
「ええ。ではあなたが?」
男が座っている席にたどり着き声をかけると、すぐさま顔があがり目線が合う。
「おうよっ!」
ユーリは街外れにある食堂に来ていた。
小さいけれど客足の絶えないこの店のカウンターの隅がユーリの指定席だ。
「ほら、よーく味わって食えよ!」
「いっただっきまーす!…くぅ~っ、相変わらずうっめーっ!!」
美味しそうな料理は目の前に出されたと同時に次々と胃袋の中に消えていく。
あっさりとした根野菜とベーコンのスープに焼きたてのパン、そして一番人気のチキンのハーブ焼きはユーリがこの店に来た時に必ず頼むメニューで、席に着くと同時に出てくる位には店のオーナーとも顔見知りだ。
「最近顔見せなかったじゃねーか。忙しかったのか?」
「……忙しかったらもっとここに顔出してるだろ、普通。」
「はっはっはっ!そりゃあ間違いないなっ!」
久しぶりに来たというのにオーナーの言葉は容赦がない。
ユーリの苦虫を噛み潰したような表情を見て、オーナーは茶化すように笑いながら水を差し出しおもむろに口を開いた。
「……そんなお前さんに客だぞ。」
不意に目の前の恰幅のいい男の声色が変わり、ユーリから目線が外れる。その視線は入り口近くにいる一人の男に注がれていた。
「あいつか?ジャン。」
「ああ、今日の朝一で飛び込みだ。とびっきりの腕利きをご所望らしい。」
「へぇ……」
ユーリは男から目を逸らさないまま不敵な笑みを浮かべる。
単なる腹ごしらえの為に寄ったつもりだったのだが、念願の仕事が舞い込んできたようだ。
「こりゃ来て正解だったかな……」
そう呟くとユーリは皿に残っていた一欠けらの肉を口に放り込み、入り口に陣取っている男の元へと向かった。
「よう、仕事を頼みたい奴ってアンタか?」
「ええ。ではあなたが?」
男が座っている席にたどり着き声をかけると、すぐさま顔があがり目線が合う。