STEAL!!~大切なモノ盗みます~
「……この方が例の件を?ウィズ。」
「はい、旦那様。」
暫くユーリを観察していた老人は背後の男に尋ねた。
ウィズ、と呼ばれた男はジャンの店での会話よりも恭しく言葉を発していく。
「やり手が集まると評価の高い店に赴き依頼して参りました。必ずや旦那様のお心に添う事が出来るかと。」
「そうか……」
老人はそれだけ呟くと目線をユーリに戻し口を開いた。
「自己紹介がまだだったね。私はウォルフ・アーネストという者だ。貴族の称号を持つ。」
自らの名を告げた老人はユーリを見据えたまま薄い笑みを浮かべる。その視線に思わず顔をしかめた。
気に食わない、そう感じたのだ。
「ご託はいいんでさっさと本題に入ってくんねーかな?こっちもただの雑談に付き合えるほど暇じゃねーんだ。」
ユーリは苛立ちを隠そうともせずに言葉を発した。
依頼は契約であり、契約は信頼関係がものをいう。こちらも手持ちのカード全てを見せていないとはいえ、ウォルフと名乗った男の態度はあまりにもユーリを不快にさせていたのだ。
「話さねーんなら俺は帰るぜ?仕事がないなら、んなとこに居る必要なんかねーからな。」
顔をしかめたまま立ち上がると、ユーリは差し出された手には目もくれずにウォルフに背を向ける。自分に向けられる眼差しを背に受けたまま、ドアに向かって歩き出そうとした時だった。
「まあ、そう急がないでくれないか。」
「……」
「話はまだ終わっていないんだ。見極めようと不躾な態度を取った事は謝罪するが、急いては事をし損じるとも言うだろう?」
ウォルフの言葉にユーリの眉がピクリと動く。
目の前の男はいけ好かない。というか気に食わない。依頼という繋がりがなければおそらく関わろうとはしないだろう。
「はい、旦那様。」
暫くユーリを観察していた老人は背後の男に尋ねた。
ウィズ、と呼ばれた男はジャンの店での会話よりも恭しく言葉を発していく。
「やり手が集まると評価の高い店に赴き依頼して参りました。必ずや旦那様のお心に添う事が出来るかと。」
「そうか……」
老人はそれだけ呟くと目線をユーリに戻し口を開いた。
「自己紹介がまだだったね。私はウォルフ・アーネストという者だ。貴族の称号を持つ。」
自らの名を告げた老人はユーリを見据えたまま薄い笑みを浮かべる。その視線に思わず顔をしかめた。
気に食わない、そう感じたのだ。
「ご託はいいんでさっさと本題に入ってくんねーかな?こっちもただの雑談に付き合えるほど暇じゃねーんだ。」
ユーリは苛立ちを隠そうともせずに言葉を発した。
依頼は契約であり、契約は信頼関係がものをいう。こちらも手持ちのカード全てを見せていないとはいえ、ウォルフと名乗った男の態度はあまりにもユーリを不快にさせていたのだ。
「話さねーんなら俺は帰るぜ?仕事がないなら、んなとこに居る必要なんかねーからな。」
顔をしかめたまま立ち上がると、ユーリは差し出された手には目もくれずにウォルフに背を向ける。自分に向けられる眼差しを背に受けたまま、ドアに向かって歩き出そうとした時だった。
「まあ、そう急がないでくれないか。」
「……」
「話はまだ終わっていないんだ。見極めようと不躾な態度を取った事は謝罪するが、急いては事をし損じるとも言うだろう?」
ウォルフの言葉にユーリの眉がピクリと動く。
目の前の男はいけ好かない。というか気に食わない。依頼という繋がりがなければおそらく関わろうとはしないだろう。