甘い言葉に惑わされて


「お前さ、手帳に住所と名前きちんと書くタイプなんだな。探さずして見つけたわ。」


オーマイガッ!!!!

「それはまどかから貰った誕生日プレゼントっ!!こんなに泥まみれになってしまったらまどかになんてドヤされるかッッ!!!」

そう言いながらも汚いものを摘むように受け取る。

「本当にお前病人か?」

「って!!!そういえばなんで来たのさ!?!?!アンタ熱は!?!?!」


あー熱上がるー。

「は?んーなの一日あれば治る。なのにお前、なんで治ってねーの?
薬は?ってか医者行ったの?」


そう言って男は私の頭に手を添える。

「うるさい。こんなの明日にゃ治る!!薬に頼らずして治す!医者なんて邪道だ!!」

その手を払い睨みつける。


「お前、ただ単に薬と医者が嫌いなだけだろ。」


「もーお礼はわかったから。もう十分驚きと怒りで熱があることすらも忘れていたわ!」



私は疲れて再び布団に横になる。



   
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