The Most Beautiful Flower In My Mind.
私にとって


仕事に行くまでのバスの時間だけが


睡眠時間になっていた。


本当に、この時の上司は、気を遣って下さる方で


いつも母の状況を心配してくれてた。


皮肉な事に、やはりここでも、家の外に


私のホッと出来るものが有った。




母は初め、4人部屋だった。


同室の方もいい方で、


食欲の無い時は「ふりかけ」で食べるといいんだよ、


と、ふりかけをお裾分けしてくれたりだとか


そこのベッドの人は病気も全快して退院したから


縁起がいいのよ、と言ってくれたりした。


だけど母は、気持ちは嬉しいけれども、


自分の痛みが凄まじいのに


人に優しく出来る余裕も有る筈は無く、


取り敢えず「貰ったふりかけのお返し」を気にして


心の奥では誰とも打ち解けて無い様だった。
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