The Most Beautiful Flower In My Mind.
母の家は三戸では名家だった。


昔は笑点の座布団の様に


「主」の敷物は高く積み上げていたらしい。


夏休みなどで、東京から三戸に遊びに行くと、


会う人会う人に


「どこから来たっぺ?」(←笑)と尋ねられ、


母の名を出すと


「‘屋敷’のR子(母'S 仮名)の娘か!」


いつも『屋敷』という冠が


私の母の名前に付く。


でも、地主では無い。地主は他にいる。


要は、平家の落人の子孫で、


天皇家にも縁の有るその血筋のせいで、


『屋敷』と付ける様になったらしい。


でも昔はそれだけでは無く、


勿論お金も有り、富豪だった。


だけど、先代がお人良しで、


連帯保証人になってしまったばかりに、


家が傾いたみたい。
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