カシスオレンジみたいな恋
「だけど……好きなんです」
やっと言えた素直な気持ち
キライだなんて全部ウソ
私はずっと
先輩が
先輩と一緒にいるこの時間が好きだった
でも好き過ぎて
この時間を私のわがままな一言で終わらせたくなくて
もっとずっと一緒に楽しい時間を過ごしたくて
ずっと気づかないふりして
ダイッキライって偽ってた
「ったく…」
先輩は呆れたようにため息混じりにそう言うと
ムニュと私の頬を優しくつまんで笑った
「やっとだよ……」
にっこりと微笑んだ先輩の頬
それは私と同じようにほんのりと赤く染まっている気がした
そんな優しい先輩に私は今まで......
そう思うといたたまれなくて
「……ごめ」
「いいよ。言わなくていい」
「え?」
私の言葉を遮るように
先輩は私の口元に人差し指を立てて言った
「俺も素直じゃないから
だから謝らなくていいよ」
そう言いながら目を閉じた先輩
だけどそれはほんの数秒で
目を開けると潤んだ瞳を私に向けて頬を真っ赤にした先輩が
「だから自分に嘘をつくのもうやめて?
そうやって自分守る必要もうないよ
俺が全部守から
俺が全部受け止めるから」