カシスオレンジみたいな恋
春に似合わない俺の顔
たぶん、今すっげぇー仏頂面
てか、眉間にシワまでよってんじゃね?
ってくらいに今はすこぶる機嫌が悪い
「オーマツー!!」
そんな俺とは対照的にすこぶるテンションの高い男の声が遠くから聞こえて
余計に眉間にシワがよる
「おっはよ!!」
ダッダッダッダッ......と走る音が徐々に大きくなるにつれて
俺の歩くスピードも早くなる
が、陸上部のこいつにかなうわけなく
ギュウッと後ろから抱きつかれる
朝からあつっっくるしい......
「あれ? ご機嫌ナナメ?」
そんな俺の顔を後ろから覗き込んだコイツを睨みつけて
「だったらなんだよ」
少しドスを利かせて凄んでみせた