はるのゆき[BL]
「なあ、母ちゃん。あいつって、俺の一個上なんだよな? どうして俺と同じ新入生なんだよ?」
「そんなの本人に聞きなさいよ。仲良くしているんでしょ?」
唯一の頼みの綱である母親からも聞き出せず。
この時初めて、由陽は真幸と仲良くしておけば良かったと後悔したが、
時が経つにつれてすっかり由陽の興味から真幸は遠ざかって行った。
高校二年になり、由陽と真幸は同じクラスメイトとなる。
知らない間に真幸は女子の人気者になっていて、男子からは若干恐れられていた事を、初めて由陽は知ることとなった。
それは自己紹介でも顕著に表れていた。
「遠川真幸です。知っている人も多いと思いますが、僕は一つ年上です。
事情があって一年休みました。だけど、別に敬語なんて使わないで接してくれていいので。
それから最後に……僕は、男は好きじゃないので」
真幸が自分と同学年の理由を知ると同時に、最初はそれが恋愛としての“好きじゃない”、
つまりは真幸なりの冗談なのかと思っていた。しかしそれが本気だったというのを知ったのはそのすぐ後の休み時間。
真幸がポケットからティッシュを落とした時の事。
「そんなの本人に聞きなさいよ。仲良くしているんでしょ?」
唯一の頼みの綱である母親からも聞き出せず。
この時初めて、由陽は真幸と仲良くしておけば良かったと後悔したが、
時が経つにつれてすっかり由陽の興味から真幸は遠ざかって行った。
高校二年になり、由陽と真幸は同じクラスメイトとなる。
知らない間に真幸は女子の人気者になっていて、男子からは若干恐れられていた事を、初めて由陽は知ることとなった。
それは自己紹介でも顕著に表れていた。
「遠川真幸です。知っている人も多いと思いますが、僕は一つ年上です。
事情があって一年休みました。だけど、別に敬語なんて使わないで接してくれていいので。
それから最後に……僕は、男は好きじゃないので」
真幸が自分と同学年の理由を知ると同時に、最初はそれが恋愛としての“好きじゃない”、
つまりは真幸なりの冗談なのかと思っていた。しかしそれが本気だったというのを知ったのはそのすぐ後の休み時間。
真幸がポケットからティッシュを落とした時の事。