片恋

学食を出て人込みを目のあたりにすると、やっぱり少しひいてしまった。
一人でも多くの新入生を獲得しようとするサークルの人達の目が怖い。
どこに何のサークルがあるのかもよくわからない。
とりあえず、案内所みたいな所に行きパンフレットをもらった。
テニスサークルや運動系のサークルが並んでるブースがあったので、裕子とそこに行こうといった。
ブースに行くまでは、色々な人達に勧誘され、何個かサークルの説明を無理矢理聞かされたりして、やっとテニスサークルのあるブースにたどり着いたが、テニスサークルの数の膨大さに驚かされた。

「祐子ー、来たのはいいけど、どこのサークルの話聞く？」
「うーん…どうしよっか。」

祐子は少し苦笑いだった。
見た目からギャル達ばかりのサークルもあれば、メンバーの人数が果てしないところもあり、１つ１つ説明を聞いていたら日が暮れてしまいそうだった。