アニマル★パラダイス -5人の不良とあたし-


「桃花。よくこんな状況で、そんなこと言えるな!」

「こんな状況だから、言ってるの。夏希くんだって、このまま捕まってるのも嫌でしょ?」

「そーだけどさ…」


夏希くんは下を向いて、何か考えてるようだった。


「そーだけど、廉が助けに来てくれるって俺、信じてっから」

「そう…」


あたしは、廉に迷惑かけたくない。


「あたしのせいで、廉のお姉さんが捕まったんだよ?あたしが悪いのに、廉に助けに来てもらうって…。そんなの、あたしのプライドが許さない」


それから夏希くんは、1回も口を開こうとしなかった。


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