ダイス




「何で深水さんは未解決捜査班にいるんですか?」


空き箱と化した煙草の箱を眺めていると紘奈に声を掛けられた。


紘奈は真剣な表情をしている。


今まで過去の事件を熱心に追ったりしたことはない。


元はエリートで、殺人犯係の主任だったこともある。


なのにこうして、必要あるのかも分からない部署に追いやられている。


未解決捜査班などというのは実際形だけで何をしているわけでもないのだ。


ただ、過去の事件の資料が読み放題というだけだ。


何も知らない彼女から見たら、確かに自分がこんなところにいるのは不思議なのだろう。



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