ダイス



今度は恐ろしすぎて誰にも言えなかった。


彼とは彼が買い物をする度に軽く会話を交わしていた。


今日は暑くないね、とか、このお菓子が好きなんだ、とか他愛のない会話。


見た目は悪くないが、背はそんなに高くなかった。


年は二十代半ばくらい。


いつの間にか彼は自分のテリトリーに入り込んでいたのだ。


でも、いつもつけているだけだった。


半年が過ぎたくらいから、店には毎日顔を出さなくなり、代わりに自宅のポストに手紙を入れるようになっていた。


それも毎日。


内容は一日の自分の行動が書き出されていた。


流石に警察に行ったが、やはりこれだけでは何も出来ないと言われた。




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