ダイス



日曜日、朝早くに真由子から電話があった。



――この間、紗江ちゃんが買ったワンピース、借りたいの。


ブルーのワンピースは、この間買ったばかりのお気に入りで、デートの時に誠に褒められたものだった。


でも断る理由もなく、承諾した。


真由子は直ぐに紗江子の家に来て、礼を言いながらワンピースを着た。


自分よりその服が似合う真由子はきらきらとした目で嬉しそうにしていた。


背丈も細さも似ていて、後ろ姿はクラスメイトにさえ間違われた。


デート? と訊くと、真由子は頬を赤らめて頷いた。


冗談で訊いたのに当たっていたことに驚いたし、何より真由子に好きな人がいるなんて知らなかった。


それでもそんなこともあるだろう、と紗江子は浮き足立つ真由子を見て思った。



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