ダイス
「うーん、特に使った記憶ないかな」
明良は首を捻りながら言った。
近年はこどもの遊びはテレビゲームやポータブルゲームが多い。
紗江子がこどもの頃も確かにそういったものは多かったし、そればかりで遊ぶ同級生も沢山いた。
だとすると、賽子というものに馴染みがないのは何ら不思議ではない。
「んー、じゃあ、賽子ってどう思う?」
紗江子はビールを一口飲んでから質問を変えた。
「……絶対的なもの」
明良は箸を置きながらぼそりと返してきた。
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