ダイス
「絶対的な、もの?」
今度は紗江子が首を傾げた。
「そう。どんな使い方だとしても、出てしまった目は絶対。それを変えることも覆すことも出来ない」
明良は今までに聞いたことがない程に低い声でそう言った。
言われてみればそうだ。
賽子を使った遊びでは、どんなに出た目が気に入らなくても降り直すことは出来ないのだ。
「……でも、何で賽子?」
明良の言葉に紗江子は考えていた頭を止めた。
「ううん、何となくね」
上手い言い訳は思い付かないので、適当にだけ返した。
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