ダイス



「もう十分。怨恨の可能性も低いから、周辺の聴き込みも宛てにならないしね」


怨恨の可能性がゼロとは言えない。


殺された三人には実際、何らかの繋がりがあって、それで殺されたのかもしれない。


何の関わりもない連続殺人事件に見せ掛けて。


でもそうではないと直感が言っていた。


確かにこれは連続殺人事件ではあるだろうが、犯人と被害者にはこれといった関係はないだろう。


寧ろ、他人である。


紗江子の直感はそう言っていた。


直感で勝負するのは危ない橋を渡ることになる。


その勘が外れていれば、誤った道を進むことにもなりかねない。


しかし、近道になることもあるのだ。


それは今までの経験から培った捜査方法だった。



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