ダイス



「……一般論として聞いて欲しいんだけど」


行き詰まった時は誰でもいいからアドバイスが欲しくなる。


そしてそれは、警察関係者以外の人間がいい。


とはいえ、紗江子には友人と呼べる人間は誰一人としていなかった。


高校生の時に起きた事件。


あれ以来、人を心から信用出来なくなっている。


そこまで言うと大袈裟かもしれないが、自分から他人に近寄ることが出来ないのだ。


学校だけの関係、職場だけの関係。


それ以上を越えることが出来ない。


だからこうして、時折会うだけの存在というのが心地好く感じるのかもしれない。



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