ダイス
そうなのかもしれない。
憧れるから真似をする。
憧れるから、同じ人に憧れ、同じ服を着たがり、同じ髪型にする。
そう、彼女は自分に憧れていたのだ。
「だから、許せないのね?」
紗江子は明良の瞳を凝視した。
自分の真似じゃなかったら、憧れなんかじゃなかったら。
それなら許せたのに。
自分と違う遣り方なら、自分より上なら。
それなら認めるしかないのに。
そう、似ているのだ。
その感覚はとてもよく似ていて、明良の気持ちが手に取るように分かった。
彼とあたしは似た感覚を持っている。
だから気になって仕方無いのだ。
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