ダイス

「深水さん……」


何故、未解決捜査班の人間が此処に。


普段なら迷わずそう質問するところだが長谷部から聞いた捜査本部の名前はその質問をさせなかった。


「賽子が遺体の側に転がっていたらしい」


深水は紗江子の顔を見ながら言った。


こうして目の前にして会うのは三年振りだ。


それでも胸の奥が熱くなるのを感じずにはいられなかった。


「過去の事件が再び始まったということですか？」


紗江子はそれに気付かない振りをしながら深水に問い掛けた。


深水はそれに対してさあ、とだけ言って、会議室後方の席を目指して歩いていった。


あそこが未解決捜査班の席ということか。


「ねぇ、そんな情報、聞いてないんだけど」


紗江子は深水の背中から視線を外し、長谷部に言った。




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