ダイス



「冷たいなぁ。まあ、笹木さんは美琴さん以外の女性には冷たいですもんね」


美琴というのは紘奈の本来所属する班の先輩刑事で女優のように麗しい見た目をした女性だ。


そして、笹木の想い人でもある。


紘奈はそれを知っているから、自分の笹木への気持ちを告げようと思わなかった。


玉砕覚悟で告白出来る程の勇気はない。


「別に、美琴さん限定ってわけじゃない。俺は元々優しい性格だ」


「うわ、嘘ばっかり」


紘奈は大袈裟に眉をしかめた。


「で、お前はその人に何をしたいんだ?」


笹木が話を元に戻したので、紘奈は表情を戻した。




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