ダイス
真横で眠る明良の顔を愛しく思う。
これが危険な感情であることは重々承知だ。
ばれなきゃいいだとか子供じみた考えはない。
刑事が殺人犯と恋仲になるなんて、許されることではない。
辞職も辞さない想い、なんて格好のいいことは言えない。
後悔ばかりが胸に押し寄せ、それでも冷たい手をずっと握っていたいとも思ってしまう。
先程まで抱かれていた肩が途端に熱くなる。
普通は反対だ。
触れられている時は熱く感じ、離れたら冷たく感じるものだろう。
物理的にも。
それなのに逆に感じるのは後ろめたさからか。