ダイス




「申し訳ありませんでした」


紗江子はまず、深く頭を下げた。


それに深水は更に驚いた様子を見せる。


近くでは蓮も何事かというような表情をしている。


明良が側にいると、どうしても世界には自分達しか、いや自分しかいないような気持ちになるのだ。


此処には、自分だけではなく、深水も紘奈も、蓮もいる。


なら、自分だけで抱え込むなんてことをしてはいけない。


深水の机の上に広げられた捜査資料がそれを教えてくれた。





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