ダイス
「北見は、新たな《ダイス殺人事件》の犯人を知っている可能性がある」
その話に紗江子は首を傾げた。
明良の口振りではそれは知らないようだった。
許せないから、探し出したい。
知っているなら、そんなことをする必要はないのではないだろうか。
「でも……」
「いや、絶対に知っているだろう。恐らく、居所を掴めないだけだ」
確かに。
紗江子は確信めいたものを抱いた。
誰が犯行を行ったかは知っているが、その人物が何処に潜んでいるのかは分からない。
だから紗江子を利用して、その居所を知りたいのかもしれない。
知って何をしたいのかまでは分からない。
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