ダイス



『……分かった』


雪音は短く答え、それ以上は何も言わなかった。


言えないのか、それとも言うことなどないのか。


彼女が今、新井をどう思っているのかは見当もつかないことだし、それを聞くことも出来ない。


例え、未だに恋人だと思っているとしても、二度もみのがすことは出来ないのだ。


「じゃあ、切るから」


雪音はうん、と言い、先に電話を切った。








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