ダイス



「お帰り」


部屋の中に入ると、そこには明良の姿があった。


今朝、眠る明良を残し、鍵はポストに入れるように置き手紙をして仕事に出た。


ポストに鍵が入っていないのを確認してから予想はついていた。


でも、まさかこんなになに食わぬ顔でいるとは思わなかった。


殺人を犯すような人間の思考は常人には分からないということか。


こんなことを考えると、自分が彼に恋愛感情を本当に抱いているのか分からなくなる。




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