ダイス

「じゃあ、昨日までは何処にいたの？」


目の前にある炒飯は簡単なものだが美味しそうだ。


昼からまともに食事を取っていない胃は今にも音を立てそうだ。


紗江子は添えられたスプーンで飯を掬って口に入れた。


仄かにバターの香りがする炒飯は見事に美味しい。


紗江子は思わず美味しい、と小さく洩らした。


すると明良はよかった、と言って笑い、紗江子の向かいに腰を下ろした。


「昨日までは、適当にいたよ。そこら辺」


明良は簡潔に述べたが、それが家と呼べるものでないことは直ぐに分かった。


ホテルなどでもないだろう。



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